JR大阪駅に滑り込む電車の右手に臨むオフィス群の中に一際存在感のある箆状のビルがあった。

有名ホテルの名を冠するそのビルは道を挟んで東西に並んでいるうちの東側だ。

偶然訪問することになった会社のオフィスはそんなビルの中層に居を構えていた。

ガラス張りのエレベーターホールと洗練された内装。

見下ろす群集はもはや…。

と、ムスカな幻想を抱かせるほどに雑多な人ごみとは隔絶された空間だった。

4畳程度の簡易オフィスが電気代などを含めて月50万らしい。

安いのか、高いのか。

事実どちらともいえるが、利用の仕方によれば相当な効用が得られるだろう。

環境もそうだが、ブランディングによってもたらされる価値は計り知れない。

まずは豪奢ともいえる居を構える。

そしてその余りある大きな箱を最大限利用しながら埋めていく。

そういった話は渋谷やヒルズにいるような社長さん方の著書にも散見できる。

今回の訪問で僕自身は面白い話が聞けたし、今後の展開や行動への示唆も得られた。

さてさて、設立当初から下界を見下ろすこの会社は今後どう動いていくのだろうか。

こういった小粒でぴりりとした愉しみは日々増える一方だ。